2021/06/23

脳の病気をした人は飛行機を利用していいの?

 先日、脳卒中後遺症をお持ちの方から飛行機旅行していいのかと質問を受けました。

 JALのホームページでは飛行機旅行が適さない状態として「脳卒中急性期(発症4週以内)」「脳の検査などで中枢神経系に空気が残存」「頭蓋内圧上昇を来す頭部疾患」と記載があります。

 飛行機は気圧の低い高所を飛行するので、客室空間は気圧調整したとしても0.7~0.8気圧に低下します。脳手術の後で頭蓋骨の閉鎖強度が低くなっている場合や頭蓋内に空気がある場合には気圧が変化することによって悪影響が出る可能性があります。また、気圧と同時に酸素濃度も低下するので、脳が酸素をより多く必要としている脳卒中急性期の方も悪影響が危惧されます。

 旅行先や帰省先での発病のこともあるかと思いますが、飛行機での移動に際しては注意が必要です。脳手術後で安定した状態である場合や脳疾患の急性期以降の方は飛行機移動も可能ですので、担当医に確認してください。なお列車や船舶での移動はこの限りではありません。