脳卒中からの生還するまで
脳の血管が切れたり詰まったりする脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)、重い後遺症の可能性もありとても怖い病気です。 昨日までは普通に仕事や家事、趣味の活動をしていたのに突然発症し病院へ入院しなければならなくなり、点滴や酸素の管でつながれたり、痛い採血などの検査を何度もされたり、さらには後遺症の心配などもあり、心と体の苦痛にいきなりさらされます。
近年の脳卒中の治療法の発達は目覚ましく後遺症も少なくてすむ希望がありますが、入院早期にはやはり患者さんは苦痛の多い環境での治療となります。
脳卒中診療を長年担当してきましたが、何とか苦痛を和らげたいと思い続けてきました。根本的な解決方法は未だに見つけられません。入院された方には少しでも希望を持っていただけるように「今はつらいでしょうが数日で管が取れます。リハビリをすれば障害が徐々に改善します。あと少し辛抱してください」とお声がけするようにしています。 急性期治療を終えられてリハビリテーションの時期に入ると希望と安心が表情に現れてきます。その後に退院されるときには喜びの表情が見られます。
長期間にわたる治療となることも多いですが、できる限り苦痛が少なく回復されるように努めていきたいと思います。