肺炎による死亡者の98%が65歳以上―「肺炎球菌」ワクチンについて
肺炎球菌は、成人の市中肺炎の原因菌として最も多く、約30〜40%を占めるとする報告もあります。肺炎による死亡者の約98%が65歳以上とされており、肺炎球菌による肺炎は高齢者にとって特に注意すべき感染症です。
2014年10月より23価肺炎球菌ワクチン(PPSV23; ニューモバックスNP)の成人を対象とした予防接種法に基づく定期接種が開始され、65 歳以上の方、及び60 歳以上65歳未満で慢性疾患・糖尿病・癌・自己免疫疾患などの基礎疾患を持つ方を対象として、PPSV23を1回接種することとなりました。そして、2024年度からは、65歳の者及び60歳以上65歳未満で基礎疾患を有する方を対象に PPSV23 による定期接種が継続されることとなりました。その結果、PPSV23接種により全年齢の住民の肺炎による入院率は有意に減少したと報告されています。
また、その後、プレベナー13、バクニュバンス(15)、プレベナー20などより強い免疫原性をもたらすタンパクを結合したワクチンが上市されました(数字はカバーする肺炎球菌の型の数)。これまでの国内外の報告から、65 歳以上の成人に対するそれぞれの結合型ワクチンの安全性はPPSV23とほぼ同等とされています。さらに、2025年10月に21価結合型肺炎球菌ワクチン(PCV21,商品名キャップバックス®)が国内で販売開始されました。これはこれまでの重症肺炎患者より得られた肺炎球菌の型についてサーベイランスを行い、よりカバー率の高い抗原性をもったワクチンです。PPSV23は免疫効果が長続きしないため5年ごとに打つ必要がありますが、プレベナー20やキャップバックスは1回接種で完結するため、今後はこれらの結合型ワクチンが中心となっていくと思われます。
ただ、これらの結合型ワクチンは、現在のところPPSV23と比べ定期接種の対象ではないためより高価となっています。詳しくは内科外来でご相談ください。
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〒604-8811
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