シミズ四条大宮クリニック院長
笠松 美宏
日本内科学会総合内科専門医
日本呼吸器学会呼吸器内科専門医
日本結核・非結核性抗酸菌症学会指導医
脳ドック、人間ドックを受けて健康寿命を延ばそう
現在、日本では、いかに健康的に生活できる期間(健康寿命)を延ばすかに関心が高まっています。なぜなら、実際の寿命と健康寿命の差が男性で約9年、女性で約12年の開きがあると言われているからです。
では、そのためにどのようなことが行われているでしょうか。まず頭に浮かぶのは、企業や自治体で行われている健康診断だと思います。ところで、この健康診断と人間ドック、脳ドックとは何が違うのでしょうか。
どちらも自身の健康状態を知るための検査であることに違いはありませんが、法的義務がある健康診断で行われる検査項目はかなり限られたものになります。
人間ドックでは、胃カメラ検査、腹部超音波検査に加え、同じ血液検査でも検査される項目が増え、希望により腫瘍マーカー、ピロリ菌抗体検査、各種ホルモン検査なども可能です。つまり、健康診断だけではわからない病気の早期発見を目的にしています。
脳ドックでは、頭部MRI検査、頸部超音波検査などを行い、脳動脈瘤、脳梗塞、脳腫瘍、脳の萎縮や動脈硬化の程度などがわかります。自覚症状だけではわからない脳の疾患や萎縮の発症の予防を目的にしています。
健康寿命を延ばすために、健康診断だけでは限界があります。詳細な検査ができる人間ドック、脳ドックを定期的に受けることをおすすめします。
シミズ病院グループでは、各分野の専門医がそろっており、人間ドック、脳ドック後の医療相談、治療を受けることが可能です。
脳ドック
40歳を超えると、今までの生活習慣病(高血圧、脂質異常、糖尿病など)の影響や加齢による変化で、脳卒中(脳梗塞、くも膜下出血、脳出血)など脳の病気のリスクも上がります。自分で脳卒中のリスクに気づくのは難しく、脳ドックで脳の異常がないかを調べることが大切です。シミズ病院グループでは、脳神経外科の専門医が受診日当日にMRIの読影を行い、結果を詳しくご説明いたします。脳ドックでわかること
くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤、脳の血管がつまる脳梗塞、脳腫瘍などさまざまな脳疾患の早期発見およびチェックが可能です。このような方におすすめ
ご家族に脳卒中歴がある方
軽症脳梗塞や心筋梗塞などの病歴がある方
高血圧症・糖尿病・高脂血症・不整脈などの生活習慣病をお持ちの方
もの忘れが気になる方
※症状のある方は、外来受診をお願いします。
コース紹介(施設により異なります)
脳検査(頭部MRI・MRA + 頸部MRA)
脳検査コースでは、脳(血管を含め)を重点的に調べます。すでに人間ドックを受けた方、内科などで診察を受け、血液検査や心電図検査が正常の方に適しています。
簡易脳ドック(脳MRI・MRA + 頸部MRA + 基本検診)
簡易脳ドックコースでは、脳(血管を含め)の検査に加え、基本健診(身長・体重・体脂肪率・肥満度・BMI・血圧測定)も行います。
脳ドック(頭部MRI・MRA + 頸部MRA + 頸動脈エコー + 基本検査 + 心電図)
脳ドックコースでは、基本検査(身長・体重・体脂肪率・肥満度・BMI・血圧測定)と血液検査(貧血・糖代謝・脂質・血液凝固)、心電図検査も行います。
主な検査内容
頭部MRI / MRA
脳梗塞、脳腫瘍、脳委縮、脳動脈硬化、脳動脈瘤(くも膜下出血)など頭部の小さな疾患も診断することができます。放射線を用いていないので被ばくの心配もありません。
頸部MRA
頸部の動脈の奇形や、脳梗塞の原因となる狭窄・蛇行・閉塞がわかります。
頸動脈エコー
頸動脈の動脈硬化のチェックを行い、脳梗塞の兆候を調べます。
当日の流れ(各施設・コース内容により異なります)
〈モデルケース〉
- 受付・お着替え
- MRI / MRAによる検査
- 頸動脈超音波検査(ドップラー法を含む)
- 身体測定・血圧測定
- 血液検査(血液生化学検査)
- 心電図検査(12誘導)
- 担当医師の問診と画像診断説明
※ 所要時間は約2時間。
人間ドック
- 人間ドックは詳細に身体の中を検査することが可能なため、健康診断ではわからない病気を発見することが可能です。各種オプション検査も用意しています。
人間ドック後の医療相談や治療に関して、シミズ病院グループの専門医に紹介が可能です。ただし、実施施設により異なりますので、まずはお問い合わせください。 - 健康診断に比べて人間ドックは検査項目が非常に多く、自分の気になる箇所をより細かく診ることが可能で、不安の解消につながります。
検査後の医師面接で健康に関する相談や改善点のアドバイスを受けることができます。ただし、実施施設により異なりますので、まずはお問い合わせください。
人間ドックでわかること
肺結核・肺がん・高血圧・心臓病・動脈硬化症・高脂血症・貧血・糖尿病・慢性腎炎・胆石・胆のうポリープ・胃がん・胃潰瘍・十二指腸潰瘍 肝炎・肝臓がんなど当日の流れ(各施設により、内容・順番が異なります)
〈モデルケース〉
- 受付・お着替え
- 身体測定
- 血液検査(血液生化学検査)
- 視力・眼底・眼圧検査
- 聴力検査
- 尿検査
- 心電図検査(12 誘導)
- 肺機能検査
- 胸部X線検査
- 腹部超音波検査
- 胃部X線検査、または胃内視鏡検査
- 担当医師の問診と説明(説明可能な項目)
※ 所要時間は約3時間。検査の順序は変わる場合もあります。
※ 脳・人間ドック併用コースもございます。
よくあるご質問
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何日ぐらい前までに予約をしたらいいですか?
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各施設にお問い合わせください。
加入されている健康保険により予約方法や予約期間が異なりますので、予めご確認のうえ、お問い合わせ・ご予約をお願いいたします。
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保険は適用できますか?
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申し訳ございません。ドックの場合、健康保険は使用できません。
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どのくらいの頻度で受けたほうがいいですか?
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年1回の受診をお勧めいたします。
ドック診察の際、担当医師にご相談いただいても結構です。
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生理中、授乳中、妊娠中(またはその可能性)でも受診はできますか?
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生理中でもドック受診は可能です。
授乳中でもドック受診は可能です。ご不明な点は直接お問い合わせください。
妊娠中または妊娠の可能性がある方は実施できないドックコース(検査)がございますので、一度お問い合わせください。
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胃部X線検査と胃部内視鏡検査はどちらのほうがよいですか?
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どちらが良いとは一概に言えません。胃部X線検査(以後、バリウム検査)と胃部内視鏡検査(以下、胃カメラ検査)はそれぞれ性質の異なる検査です。前回受診の結果で特に指摘や所見が無い場合、1年毎に違う検査を受けられてはいかがでしょうか。ドックの診察時、担当医師にご相談いただいても結構です。
・バリウム検査はバリウム液(造影剤)を胃の中に入れ放射線で胃の全体像を撮影する検査です。これで何か異常があれば、胃カメラ検査をする必要があります。
・胃カメラ検査は胃の中に内視鏡を入れ、直接胃の内部を見ることができ、必要に応じて組織検査をすることが可能です。ただし、カメラに映っている部分しか見えません。
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医療費控除の対象になりますか?
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国税庁のホームページ「№1122医療費控除の対象となる医療費Q&A」より一部抜粋
人間ドック・健診費用等の費用
Q1:いわゆる人間ドックや健康診断(以下「健康診断等」といいます)の費用は、医療費控除の対象となりますか。
A1:健康診断等の費用は、疾病の治療を行うものではないので、原則として医療費控除の対象とはなりません。しかし、健康診断等の結果、重大な疾病が発見され、かつ、その診断等に引き続きその疾病の治療を行った場合には、その健康診断等は治療に先立って行われる診察と同様に考えることができますので、その健康診断等のための費用も医療費控除の対象になります。
(所基通73-4)