doctor

医療法人清仁会 洛西シミズ病院院長

矢津 匡也

日本整形外科学会整形外科専門医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医

整形外科は、運動器の外傷や疾患に対して診療する科です。その治療方法は外科的手術のみならず、薬物療法や理学療法、装具療法など多岐にわたります。シミズ病院グループの整形外科では、4つの病院と1つのクリニックが連携(※)、運動器の外傷や疾患で困っておられる患者さまに最良の治療方法を選択し、治療できるよう心がけています。

シミズ病院グループ内には入院施設として、

  • ・手術など急性期治療を行う「急性期病床」
  • ・自宅へ帰るためのリハビリテーションを主目的とした「回復期病床」
  • ・障害をお持ちの患者さまに対する治療を主として行う「障害者病床」
  • ・慢性期の治療を行う「慢性期病床」

を有しており、急性期から慢性期の患者さまに対応できる体制を整えています。中でも洛西シミズ病院には「脊椎・脊髄」「関節」「肩」「手」「足」など体の部位ごとに専門とする医師が常勤しており、患者さまの症状に即した適切な治療が提供できます。(詳しくは、洛西シミズ病院整形外科へ)

さらに自宅へ退院することが困難な患者さまに対してはメディカルソーシャルワーカーと連携し、当グループの関連施設をはじめとする介護保険施設などへの入所に向けての支援も行っています。 シミズ病院グループの整形外科では民間病院である利点を活かし、今後も幅広い患者さまに対して柔軟で機敏な対応をしていきたいと考えています。

※シミズ病院グループの整形外科対応施設 洛西シミズ病院、シミズ病院、亀岡シミズ病院、洛西ニュータウン病院、シミズ四条大宮クリニックで整形外科の診療を行っています。

診療領域

領域ごとの専門医がお一人おひとりに最適な診療を提供しています。

icon_kata 肩の外科

鎖骨を含む肩甲骨と上腕骨からなる肩関節周辺の疾病、外傷を治療対象としています。

肩関節に障害を生じる疾病は、一般的に五十肩と言われる肩関節周囲炎を中心とした疾患群をはじめ、腱板断裂、石灰沈着性腱炎、胸郭出口症候群などがありますが、反復性肩関節脱臼、肩関節不安定症、変形性肩関節症をはじめとする一般の整形外科では診断や治療が難しい傷害も数多くあります。

強い夜間痛、上肢の挙上困難などが起こる肩関節は、日常生活や社会活動、さらに趣味、運動に支障をきたします。このような患者さまに対して的確な診断と適切な治療を行うべく、日々診療にあたっています。

対象疾患・外傷

腱板断裂、肩関節拘縮症、肩関節周囲炎、石灰沈着性腱炎、反復性肩関節脱臼、肩関節不安定症、肩関節周囲の外傷・骨折・脱臼など(鎖骨・肩甲骨含む)

icon_te 手外科

外傷による手関節や手指の骨折、腱や靭帯などの損傷、腱の通る腱鞘での炎症により手指を動かしたときに痛みを生じる腱鞘炎、手部で神経が圧迫されてしびれを生じる手根管症候群など、手の周囲の傷病に対して治療をしています。症状や病態によって保存加療(薬・注射など)が困難な場合は、手術による治療を行います。

対象疾患・外傷

手根管症候群、上腕骨顆上骨折、前腕骨骨折、手関節部骨折、腱鞘炎、腱断裂、ばね指、手指の骨折、肘関節離断性骨軟骨炎、変形性肘関節症、肘関節の靱帯損傷・骨折・脱臼、肘部管症候群など

icon_sekitsui 脊椎・脊髄外科

脊柱(背骨)は体の軸として体を支えて運動を行い、脊髄神経を保護する役割をしています。加齢や外傷などによって傷害されると、手足のしびれや歩行障害などの痛みや麻痺を生じます。脊椎外科はそのような脊椎脊髄疾患を専門的に扱う科です。

脊椎脊髄疾患の主な症状としては、腰痛、歩行障害、頚部痛、肩こり手足のしびれ、上肢痛、スポーツ障害手足の運動障害・麻痺、下肢痛などの治療を行っています。

対象疾患・外傷

外傷頚椎症性神経根症、脊髄症頸椎椎間板ヘルニア、頸椎・胸椎後縦鞘帯骨化症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、腰椎すべり症、化膿性脊椎炎、脊椎骨折・脱臼など

icon_hiza 膝・股関節外科

日々の生活で膝、股関節といった関節はとても重要な役割を果たしています。立ったり、しゃがんだり、そして歩いたりといった移動をするために必要不可欠な部位です。

洛西シミズ病院の膝股関節外来では、患者さまの状態に合わせて関節の機能温存のための手術や、症状が進んだ場合には人工関節の設置などを行うことがあります。手術後、リハビリテーション、生活環境のケアまでを全体的にカバーできることが当院の特徴です。

対象疾患・外傷

外傷変形性股関節症、大腿骨頭蓋死症、股関節の脱臼・骨折、大腿骨骨折、膝関節特発性骨壊死、膝関節症、分裂膝蓋骨、半月板損傷、膝関節の靱帯損傷・軟骨損傷・骨折、下腿骨骨折など

icon_ashi 足の外科

足の外科の専門医が30年以上にわたって診療を行っています。これまでに3,500例以上の足の外科手術数を誇り、豊富で確かな臨床実績は国内のみならず海外においても高い評価を受けています。

外反母趾やリウマチ性足部変形に対する矯正術、スポーツ選手などの足関節傷害に対する靭帯再建術や足関節鏡視下手術の成績は世界トップ水準にあり、患者さまの成績に対する満足度も高い評価を得ています。

全国から外反母趾に関心のある整形外科医を募集して、1日コースのセミナー(講義、手術見学、症例検討など)を年3~4回行い、外反母趾診療の発展と普及に努めています。

対象疾患・外傷

外傷変形性足関節症、偏平足、外反母趾、足関節の靱帯損傷・骨折、距骨軟骨損傷、アキレス腱傷害など

シミズ病院グループ 整形外科が手がける「低侵襲手術」

最近は、「低侵襲手術」という言葉をよく耳や目にされるのではないでしょうか?

低侵襲手術治療とは、従来行われていた手術に比べて、患者さまの体に対する侵襲(負担)を減らした体に優しい手術です。体力がなくて手術が難しかった方、合併症をお持ちの方、高齢者、小児でも治療が可能になる場合もあります。そこで、いくつかの「低侵襲手術」をご紹介いたします。
img_ope1

内視鏡下脊髄手術(椎間板ヘルニア)

椎間板は脊椎を構成する椎骨と椎骨の間にあり、背骨にかかる衝撃をやわらげるクッションの役割をしています。

椎間板の中心は髄核(ずいかく)とよばれるゼリー状の組織で、その周辺を線維の層(線維輪:せんいりん)が取り囲んでいます。椎間板にひび割れが生じて、髄核や線維輪が脊椎の後方にはみ出して神経を圧迫するのが椎間板ヘルニアです。神経が圧迫されると炎症が起きて腰やおしりだけでなく、太ももやすねなどに「坐骨神経痛」のしびれや痛みが出ます

従来の切開手術は50~70mm以上の傷口でしたが、内視鏡下手術ではわずか18~20mm弱で済み、入院期間は4~7日程度と短く早期社会復帰が可能です。

img_ope2

肩関節鏡視下手術

当グループでは、手術の対象となった肩関節疾患の治療に関節鏡視下手術を取り入れています。特に腱板断裂例の中で修復不能な広範囲断裂例に対しては、リバース型人工関節置換術を行わず大腿筋膜を用いた上方関節包再建術を行い、関節温存を目指しています。

他の関節鏡視下手術として腱板修復術、反復性関節脱臼に対する関節唇形成術、石灰沈着性腱炎に対する石灰摘出、肩関節拘縮症が重症化した凍結肩に対する関節授動術なども関節鏡を使用して手術を行っています

また、上腕骨近位端骨折で骨欠損の大きい症例においては同種骨移植を用いた骨接合を行い、人工骨頭置換を行わず関節温存を目指しています。他にも人工靭帯を用いた肩鎖関節脱臼の手術、変形性関節症に対する人工肩関節なども行っています。

img_ope3

人工関節置換術(肘・膝・股)

関節を神経のない人工物に置き換えることで痛みが取れ、関節の動きがよくなって歩きやすくなります。QOL(日常生活の質)を高める治療効果の高い手術です。

人工股関節はポリエチレンのライナーと金属またはセラミックの骨頭という組み合わせを使うことが多く、セラミックの骨頭を使うことで人工股関節の耐用年数が向上しています。人工股関節置換術の種類としては、全人工股関節置換術、人工骨頭置換術があります。全人工股関節置換術は、変形性股関節症や関節リウマチ、大腿骨頭壊死、骨折などにより変形した関節を入れ替える手術です。

人工骨頭置換術は腿骨頚部内側骨折や大腿骨頭が何らかの原因で壊死を起こした場合に大腿骨頭を切除し、金属あるいはセラミックでできた骨頭で置換する手術です。最近ではできるだけ小さい皮膚切開で手術を行うMIS(最小侵襲手術)が考案されています。

img_ope4

内視鏡下手根管開放術(手・手首)

現在では内視鏡を用いた鏡視下手根管開放術や小さく切開して行なう直視下手根管開放術があり、従来のように約10cmにわたって大きく切開して手術をする必要はなくなっています。これは術前の検査や診断によって、神経の圧迫がもっとも強い部分がはっきり分かるようになったため、除圧(神経を圧迫している原因を取り除くこと)のために必要な切開の範囲がかなり小さくて済むようになっているからです。このような術式はミニオープンと呼ばれます。

内視鏡を使う場合でも、内視鏡を入れるために小さく切開する必要があるため、その点では直視下での手術と大差ないところまできています。ただし、切開する場所には違いがあります。直視下の場合は、手のひらに傷ができるという点で、内視鏡の方に優位性があるとみることができます。

その一方で、内視鏡下では直視下に比べて視野が十分確保できないために、ごくまれに他の部分を傷つけてしまうことがあり、直視下の方が安全面では有利といえます。いずれにせよ、治療成績そのものは同等であり、特に差があるものではありません。

img_ope5

外反母趾手術(足指)

変形が進むと指についている筋肉も変形を助長するように働き、体操や装具ではもとに戻りにくくなります。痛みが強く、靴を履いての歩行がつらくなると手術をします。

外反母趾の手術法にはいろいろありますが、最も一般的なのは中足骨を骨切りして矯正する方法で、変形の進行の程度により方法を選んで行っています。

手術は腰椎麻酔か局所麻酔下に1時間以内で、翌日から歩行が可能です。従来の靴が履けるようになるのには2カ月間ほどかかります。

img_ope6

手術実績

(各年1月~12月累計)

横スクロールでご確認頂けます
2020年 2019年 2018年
頚椎手術 頚胸椎 骨折、外傷の手術   0 0
直視下手術   6 10
鏡視下手術、低侵襲手術   0 0
腰仙椎 骨折、外科の手術   0 0
直視下手術   9 11
鏡視下手術、低侵襲手術   17 21
その他 側湾症手術   0 0
腫瘍手術   0 0
骨盤 骨折、外傷の手術   0 0
上肢手術 肩関節 骨折、外傷の手術
(鎖骨、肩甲骨を含む)
  45 47
直視下手術 腱板断列   0 1
肩関節不安定症   1 0
その他   6 1
鏡視下手術 腱板断列   21 25
肩関節不安定症   1 5
その他   9 3
肘関節 骨折、外傷の手術   18 18
直視下手術 肘部管症候群   1 2
人工関節置換術   1 0
靭帯再建術   1 1
その他   1 1
鏡視下手術   0 0
手部、手関節 骨折、外傷の手術   118 110
直視下手術 末梢神経手術   6 3
関節形成術
(固定術を含む)
  7 2
腱・靭帯再建術   8 3
顕微鏡下手術   0 1
その他   48 65
鏡視下手術 手根管症候群   16 8
その他   0 0
骨幹部 上腕 骨折、外傷の手術   5 4
前腕 骨折、外傷の手術   5 6
下肢手術 股関節 骨折、外傷の手術 人工骨頭挿入術   45 49
骨接合術   80 82
その他   0 0
直視下手術 人工骨頭挿入術   20 22
関節形成術
(骨切り術)
  0 0
その他   0 3
鏡視下手術   0 0
膝関節 骨折、外傷の手術   15 18
直視下手術 人工骨頭挿入術   23 20
関節形成術
(骨切り術)
  9 10
その他   6 5
鏡視下手術 靭帯再建術   7 2
その他   21 21
足部、足関節 骨折、外傷の手術   41 33
直視下手術 矯正術   22 27
関節形成術
(固定術を含む)
  17 13
腱・靭帯再建術   8 6
その他   10 13
鏡視下手術   3 4
骨幹部 大腿 骨折、外傷の手術   14 14
下腿 骨折、外傷の手術   4 12
腫瘍の手術
(脊椎を除く)
良性軟部腫瘍手術   8 11
悪性軟部腫瘍手術   0 0
良性骨腫瘍手術   3 4
悪性骨腫瘍手術   0 0
内固定材料抜去術   120 123
その他の手術(上段のいずれにも分類困難な手術)   7 0
外傷手術合計(各部位の骨折、外傷の手術の合計)   390 393
疾病手術合計(外傷以外の手術、ただし内固定材料抜去術は除く)   316 324
総件数(内固定材料抜去術 + その他の手術 + 外傷手術合計 + 疾病手術合計)   833 840

よくあるご質問

整形外科と整骨院・整体とはどのように違うのですか?

整形外科では、医師が治療を行います。レントゲンやMRIの検査及び痛み止めや湿布などの投薬、さらに、理学療法士などリハビリ専門職による治療も行います。

それに対して整骨院は、骨折や脱臼、打撲、捻挫などの怪我に対して、主に施術者の手を用いて施術を行う専門家です。整骨院は柔道整復師が常駐しているところであり、基本的には「脱臼」や「捻挫」「鞭打ち」「打撲」など、原因がはっきりしている急性の問題に対して対処をするところになります。医師と同様に国家資格ですが、医師のような医療行為を行うことはできません。なお整体は、整体師がマッサージや矯正を行ったりするところです。整体は健康保険が使用できません。

手足のしびれが出てきました。整形外科を受診してよいでしょうか?

しびれの原因は、さまざまです。首腰の変形やヘルニアなどが一般的ですが、そのほかの原因として、脳、脊髄、などの神経が障害されたもの、血流障害によるもの、自律神経の障害、筋肉や関節の障害によるしびれなどがあります。当グループでは、症状や病態に応じて保存加療(薬、注射など)が困難な場合は手術による治療を行っています。

骨粗鬆症かどうか検査してもらえますか?

骨粗鬆症は、ある年齢になった人を対象に市町村の保健センターや保健所などで、定期健診を行っています。当グループの整形外科においても検査治療を受けられます。骨粗鬆症は、骨だけの治療ではなく、全身の代謝に関係している病気です。

すり傷や切り傷などのケガも診てもらえますか?

整形外科は運動器の疾患を扱う診療科です。スポーツ傷害や交通外傷、労働災害などによる外傷のほとんどは整形外科の疾患です。切創、挫創などのケガ、打撲、捻挫、骨折、脱臼、関節損傷、脊髄損傷、開放骨折、切断指・肢などは、整形外科が扱います。整形外科が扱わない外傷には、頭部・顔面外傷や心臓・肺損傷、腹部外傷などの臓器外傷、泌尿・生殖器損傷などがあります。

手術をできるだけ避けたいのですが、保存療法を選ぶことはできますか?

当院では、症状や病態に応じて保存加療(薬、注射など)を行いますが、困難な場合は手術による治療を行うことになります。まずは、担当医師にご相談ください。