片頭痛の新たな治療法の登場
片頭痛は女性に多く見られる日常生活やお仕事に支障をきたすこともあるつらい頭痛です。
最近では片頭痛が起きる仕組みもかなり解明されてきています。その直接の引き金は脳を包む膜(硬膜)や頭部の知覚神経である三叉神経からCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という血管拡張や炎症を引き起こす物質であることがわかってきました。最近このCGRPの働きをブロックすることで、発作を減らし、起きても軽い程度に抑える抗CGRPモノクローナル抗体の注射薬が開発されました。
今までは市販もされている一般的な鎮痛剤や病院で処方する発作時の片頭痛治療薬、定期的に服用する予防薬などでの片頭痛の治療が行われてきましたが、2021年4月から、これまでの治療法で効果が不十分である方に対してこの抗CGRPモノクローナル抗体注射薬を投与することができるようになりました。 お薬の投与は月に1回の皮下注射で、今のところは医療機関のみで投与可能です。その費用は3割負担でも1回1万円以上と高価なお薬です。適切に投与するためには処方医に対して専門医の資格と十分な片頭痛治療経験が求められています。 当院でもこのお薬が処方可能になりました。
いままで飲み薬を試してもなかなか軽快しない片頭痛をお持ちの方は一度当院で相談されることをお勧めします。